フィラリア症に対するボルバキア治療

気温が微妙に上がらない、けど強風と花粉だけはしっかりと春になってきている今日この頃、皆さま如何お過ごしでしょうか??

 

春といえば、フィラリア予防をはじめる時期です!!

 

フィラリア予防薬ですが、冬の間休薬していた方は、飲み始めるシーズンの初めに必ず検査を受けて、フィラリアに感染していない事を確認してから飲み始めます。

 

理由としては、フィラリア感染を起きていた場合、知らずに予防薬を飲んでしまうと、、

 

急激なフィラリア虫体の死滅によるアレルギー反応

心臓血管の物理的な閉塞などが生じる事があり、最悪生命に関わる恐れがあります。

 

なので、冬の間にフィラリア薬を休薬していた方は必ず検査を受けてからフィラリア予防薬を飲み始めましょう!!

 

検査は血液を一滴採血し、結果は数分ですぐに分かります。

 

 

また、近頃のフィラリア薬は安全性が高く、美味しいものや、ノミダニ薬との合わさったものが出てきて、一年間を通して投与される方も増えてきました!!

 

実際、当院でも80〜90%ほどの方が年間投与になってきております!

 

 

そんなフィラリア感染症に感染してしまったらどうなるの??

という事で、

 

「フィラリア感染症に対するボルバキア治療」について症例報告したいと思います。

 

 

MIX犬 2歳 

フィラリア陽性の為、検査・ボルバキア治療をしてほしいとの主訴で来院。

 

今の所、咳みられず、運動時に呼吸が荒くなるなどの症状もなし

 

早速、フィラリア検査をしてみると、、、

 

CとTの箇所に赤い線が、、、

 

 

 

フィラリア陽性です!!

 

続いて心臓エコーをしてみると、、、

 

 

 

幸い、心拡大はみられず、フィラリアの虫体によって血管がパンパンになっている様子もなさそう、、、

 

 

肺動脈の辺りを見てみると、、

 

イコール“=”の様な線状のエコー像がフィラリア虫体です!!

 

こちらも幸いな事に、そんなに多くの虫体がいるわけでは無さそう、、、

 

 

 

そこで、オーナー様と相談しフィラリア症に対するボルバキア治療をしていくことに!

 

現在も期間を決めて抗生剤を飲みながら、

月1回のフィラリア予防薬とアレルギー反応を抑える内服の継続、

そして定期的に検査を行い、一年以内の陰転を目指しております。

 

 

ボルバキアとはフィラリアに寄生する寄生虫みたいなもので、フィラリアとセットになっているイメージのものです。

 

そこにドキシサイクリンという抗生剤を使う事で、ボルバキアを退治し、フィラリアだけの単体にしてしまいます。

 

フィラリアだけの単体にしてしまうと、とても弱く、生体内の免疫反応で分解されてしまうほどにまで弱体化してしまいます。

 

ザックリしたイメージで説明すると

 

フィラリア➕ボルバキア=強い!!

 

何年も心臓内に寄生し、繁殖すると心不全など起こすことも、、、

 

 

そこで、抗生剤を投与すると

 

フィラリア単体=弱い!! 

免疫力で分解されちゃう。。。

 

この様なイメージでボルバキア治療を行っています。

 

 

今までボルバキア治療をしてきたワンちゃん達は全員1年以内の陰転(フィラリア検査で陰性)しております。

 

 

ただし、フィラリアの寄生数や心臓の状態によってはボルバキア治療が適さない場合もありますので、是非とも一度ご相談下さい。

 

 

 

・フィラリア検査をしたい!

・ボルバキア治療をご希望の方

・フィラリア予防薬のおすすめが知りたい!

 

など有りましたら是非ともおひさま動物病院まで!!