短頭種気道症候群に対する外科治療

とんでもない暑さが続いている今日この頃、皆様如何お過ごしでしょうか?

 

先日、神奈川大和阿波踊りが開催されていましたが、皆様の中には遊びに行かれた方も多いかと思います。

 

 

僕も日曜日の夕方に少し見に行きましたが、もの凄い人だかりで熱気に溢れておりましたねー!!

 

昨年の院長ブログにも書きましたが、今年こそは電球ソーダなるものに挑戦しようかと思ってましたが、、、

 

 

屋台の行列が凄すぎて今年も飲めず!!!

 

 

電球ソーダはまた来年に持ち越しですね!💡

 

 

さて、今回は「短頭種気道症候群に対する外科治療」についての症例報告を書いていきます!

 

◯短頭種気道症候群って何だろう??

フレンチブルドッグさんやチワワさん、ボストンさんなどお鼻のぺちゃっとしたワンちゃん達に多く見られる呼吸器の異常のことです!

 

主に、

・外鼻腔の狭窄 鼻の穴が狭い

・軟口蓋過長  喉の奥が長くて気道を覆っている

・喉頭小嚢の外転

などなど、、、が要因として、いわゆるブヒブヒやブーブーする呼吸音などの症状が出てきます!

 

ブヒブヒという呼吸音だけならまだしも、

・酷いと運動した時に上手く呼吸が出来なくなって倒れてしまうこと

・寝ている時に無呼吸になり上手く眠れない

・呼吸に必死で体温が高くなり、熱中症にもなりやすくなる、

 

など症状が重くなる可能性もあります。

 

そんな症状が出てきている、もうすでにイビキが酷くて寝てる時すごく苦しそうとなどいう場合、

なるべく若齢のうちに治療を行う事が推奨されます。

 

 

症例 フレンチブルドッグ 去勢オス 2歳4ヶ月

 

普段の呼吸音が苦しそう、イビキが酷い、呼吸器のオペ希望との主訴で来院されました。

 

まず、お鼻の形を見てみると、、、

 

 

鼻の穴がかなり狭く、ほぼ線状になっております。。。

 

また、レントゲンでも軟口蓋の過長が疑われました。

 

オーナー様家族と相談し、外科治療による根本治療を行う事に!!

 

まず、全身麻酔をかけて、喉の奥にあります軟口蓋をみていきます!

 

 

 

軟口蓋がかなり長くて、気道を覆っている事が確認できました。。。

 

 

 

喉頭小嚢の外転は幸い見られませんでした。

 

当院では、軟口蓋外科切除の際にアクロサージという医療機器を使用しております。

 

 

アクロサージとは、マイクロ波を用いた外科手術用エネルギーデバイスで、

外科切除を行う際に切る、止血する、を同時に行うことが可能な機器で、安全かつスピーディーに手術を行うことが出来ます!!

 

 

血流の豊富な軟口蓋を切除する際に、全く出血する事が無く、かつ素早く切除可能なので正直もの凄く助かっております!!

 

アクロサージで軟口蓋を丸くなる様に切除し、切除した部分を縫合します。

 

軟口蓋の長さは、術前では気管チューブが完全に覆われていたのが、術後は半分くらい覆われる長さに切除しました。

 

続いて外鼻腔の拡張オペです。

 

色々な方法が有りますが、楔形に鼻鏡を切除をして鼻の穴を広がる方法を行っております。

 

 

術後の様子になります。

白く見えてる部分が広がった部分です。

 

 

左の丸いものが切除した軟口蓋。

右のピラミッド状のものが切除した鼻鏡になります。

 

こうして軟口蓋過長切除と外鼻孔拡張を行いました!!

 

早速、麻酔から覚めた瞬間から今までずっとブーブーなってた呼吸音が、スースーという呼吸音になり、あまりの変わり様にスタッフもビックリしてました笑。

 

 

術後2週間ほどで抜糸を行いましたが、お鼻の形もバッチリ広がっていて、呼吸音は良好でした!!

 

術後2週間の様子。線状に狭くなってた鼻の穴がしっかり開いてます!!

 

 

おひさま動物病院では、

・呼吸音がブーブー、ガーガー酷い!

・最近、いびきがうるさくなった!

・鼻の穴が狭い!

 

などありましたら、是非ともご相談して下さい!!