会陰ヘルニア再発に対するポリプロピレンメッシュを用いた整復術

たまーに25℃を超える暑い日もありますが、すっかり夜は寒くなってきた今日この頃、、

 

皆さま如何お過ごしでしょうか??

 

最近はテレビを見ると大谷翔平選手の話題でいっぱいですね!!

 

僕は北海道出身のため、学生の頃から北海道をホームにしている日ハムファンで、社会人になってからも札幌の実家に帰る度に、家族と札幌ドームにいって日ハム時代の大谷選手を応援していましたねー(^^)、

 

まあ、あの時から凄い選手だ!!とは思っていましたが、こんなBIGな選手になるとは、、

 

北海道日ハム時代からのファンの人達(うちの親など)にとって、「大谷選手」ではなく、「大谷くん」と知り合いの子供みたいに呼んでますからねー笑。

 

さてさて、今回もお馴染みになってきました会陰ヘルニア整復オペの症例報告になります!!

 

有り難いことに、「院長ブログを見ました!ウチの子も会陰ヘルニアなので見てください!」というお言葉を沢山頂いております。

 

その中でも今回は一度、会陰ヘルニア整復オペをし、落ち着いていたのですが、その半年後に再び会陰ヘルニアが再発した症例になります!

 

症例

11歳 MIX 10歳時に去勢済み

主訴

半年ほど前に会陰ヘルニアオペをしたが、またお尻が腫れてきている

 

早速お尻を見てみると、、、

 

右のお尻がプックリと大きく腫れております。。

以前行った場所と別の場所から破れてしまった可能性が考えられます。。。

 

レントゲン、エコー検査を行ってみてみると、

幸い、膀胱が会陰ヘルニア内に入っては無さそう。。。

 

更に、半年前に行なったオペで結腸と膀胱は固定されていて、便の出も問題ないとの事で、膀胱や結腸の固定も必要無さそうでした。

 

ただ、触った感じや見た目からお尻の筋肉はペラペラで薄そう。。。(-_-)

 

会陰ヘルニアのオペでは、破れてヘルニアになってしまった周りの筋肉が「縫い代」となるため、ヘルニアを塞ぐ「縫い代」が全然無い!!ペラペラ!!となるとなかなか整復が厳しそうです。。。

 

そこで、ポリピレンメッシュという材料を使い、おしりの筋肉の穴(ヘルニア)を塞ぐタイプのオペをやる事に!!

 

いつもの会陰ヘルニアオペでは、以前の院長ブログにある様な、外肛門括約筋と尾骨筋、内閉鎖筋などを縫い合わせてヘルニアを塞いで行くのですが、、、

 

今回の症例をみてみると、、、

 

 

薄い膜のような筋肉しか残っておりません。。。

教科書に書かれているような尾骨筋なども何処にいったのかーってくらい無くなっております。

 

ヘルニア嚢という膜に包まれた消化管が出てきているのが見られます。

 

さて、これを塞ぐために新アイテム、ポリプロピレンメッシュを使っていきます!!

こんな感じのものをつくります。

(実際のものを撮り忘れたのでsurgeon154より)

 

 

メッシュで穴を塞ぐと言っても、ズボンに空いた穴にアップリケをつける様に塞ぐ、、、

 

のではなく、クレープの様に三角コーン状に巻いて、それをヘルニアの穴に入れていきます。

 

ズボッと

 

 

 

メッシュを三角コーン状に入れる事で、結腸や小腸、膀胱の位置関係も支えられるので、それらの臓器が内側からぶつかってヘルニアが再発する、というリスクが低くなります。

 

メッシュを入れた後は、周りの縫い付ける箇所と合わせながら少しハサミでカットし、調整します。

 

メッシュが飛び出さない様にカットしながら調整中。

 

 

調整が終わると、最後はメッシュと周りの組織を縫合して固定するのですが、、、

 

 

残念ながら、周りの筋肉たちはかなりペラペラの為、メッシュと固定するには不向き。。。

 

固定するためにはズレないしっかりとした組織に縫い付けたい!!

 

 

ということで、今回は、

仙結節靭帯と坐骨骨膜、そこそこ厚みのある外肛門括約筋の3箇所と縫合し固定する事にします!

 

 

坐骨骨膜って縫合出来るのー??

と思われる方もいるかもしれませんが、結構程よい硬さでしっかり縫合できる事が多いです(^^)

 

 

ただ、中にはこの坐骨骨膜すらペラペラの場合もあり、その場合は坐骨に穴を開けて糸を通し、メッシュと固定する必要があります。

 

坐骨骨膜に糸をかけました!

 

 

メッシュとしっかり固定します

 

 

同じ様に仙結節靭帯、外肛門括約筋も3糸ずつくらい縫合します。

黒っぽく見えているのが縫合糸です。

 

 

更に外側の皮下組織、皮膚を縫合して手術終了です。

 

手術直後の様子。

 

 

術後2週間

 

傷も問題なく、毛も生えて来ております!!

 

 

今回の症例の様に、会陰ヘルニアのオペでは、その症例ごとにヘルニアの穴を塞ぐ「縫い代」が全然無い事があります。

 

どこが使えるのかによって手術の内容が変わり、その子にあった対応がそれぞれ必要になります。

 

 

会陰ヘルニアは若い時に去勢手術を行う事で予防出来る病気でもあります。

 

もしお家のペットさん達で、、、

 

・会陰ヘルニアのオペを以前したが再発した!

 

・未去勢のワンちゃんで排便や排尿がしにくそう!

 

・おしりの横が膨らんでいる!

 

・会陰ヘルニアにならない様に去勢したい!

 

などがありましたら、是非ともおひさま動物病院までご相談下さい!!