仔猫のトリコモナス症による下痢
すっかり半袖で過ごしている暖かい日が続いている今日この頃、、、
皆さま如何お過ごしでしょうか??
5月11日まで行っていました予防薬キャンペーン第一弾の方は、本当にたくさんの方にご来院して頂き、感謝申し上げます!!(^^)
予想を超える大反響により、
ご来院された方の中にはかなり待ち時間が長くなった方、
ご予約が埋まってしまい希望の時間に取れなかった方など、、、
ご迷惑をお掛けした事もあったかと思います。。。
申し訳ございませんでした。m(_ _)m
バタバタした中でも、私やスタッフに優しく声を掛けて下さるオーナー様や、お利口に待ってくれる動物さん達に、少しでも力になれるように全力で頑張って行きたいと思います(^。^)
また、5月12日から6月30日まで予防薬キャンペーン第二弾も行っております!!
第一弾のキャンペーンに間に合わなかった方は是非ともご利用下さい!!
さて、今回の症例報告は、仔猫さんの下痢です。
・猫 2ヶ月齢 未避妊メス
ノルウェージャンフォレストキャット
主訴 ペットショップから来てずっと軟便が続いている
まだお家に来たばかりの子猫さん、、、
環境の変化によりお腹を壊してしまう事もしばしば見られますが、
まず便検査をしてみると、、、
何やら怪しい動きをしているものが、、、
これです!!!
(静止画で分かりにくく申し訳ないです、、、)
コンニチハ、、、
これは、トリコモナスといわれる原虫です!
トリコモナスは
主に1歳以下の若齢猫に多く見られ、慢性の大腸性下痢を引き起こし、下痢になったり治ったりを繰り返します。
ときおり粘液や鮮血が混じります。
今回は、幸運な事に顕微鏡にて見つけることができましたが、
トリコモナスは顕微鏡での検出率が10〜20%ほどとかなり低く、便検査だけでは診断が難しいです。。。
また、遺伝子検査も有りますが、なかなか高価で、検出率も90%ほどと高いのですが、100%では無いのです。。。
さて、次はトリコモナスに対する治療に取り掛かります!!
原虫に有効な抗菌薬を内服してもらうのですが、
まず、よく使われているメトロニダゾールという抗菌薬を使います。
経験上、トリコモナスに対して半分くらい有効で下痢を抑えてくれるのですが、、、
今回の子猫さんには、少し軟便が治まるくらいで、完全に良便にはならず、、、(*_*)
そこでもう一つ別のチニダゾールに内服を変更します!
治療再開してみたところ、、、
便は形になってきました!!!
その後、この猫さんは、チニダゾールを投与終了後も整腸剤の内服を続けながら免疫力の回復や腸内環境の改善を継続しています!
トリコモナスに対して入手のし易さなどからメトロニダゾールが1番使われる事が多いのですが、経験的に下痢症状が良くなることは半分くらいな印象です。。。
メトロニダゾールが効かない場合の第二の手段としてチニダゾールが使われる事が多いです。
それぞれの抗菌薬の効き易さなどは地域によって異なるのでは、、、との話も出ていますねー。
ただトリコモナスの厄介な点として、今回のように下痢症状は治った!!!
、、、と思いきや、完全に駆虫できるとは限らず、症状が出ないまでに改善しても腸内には残存しているという事もあります。(ーー;)
症状は出ていなくても、引き続き注意は必要になり、特に便の付着した場所などはしっかりと消毒することをお勧めしております。
もし子猫さんで
・下痢が続いている
・血便が見られた
・便の回数が1日で5〜6回以上なと多い
この様な症状がみられましたら、おひさま動物病院まで!!
◎最近の出来事
先日、横浜のこどもの国へ行った際に乳牛・羊に餌やり体験をして来ましたー!!
北海道の酪農学園大学出身の自分としては、牛舎独特の消毒薬と牛さんたちの醸し出す香りに、郷愁に駆られ続けておりましたねー笑