犬の停留睾丸(腹腔内陰睾、皮下陰睾)
気付けば12月も後半になり、今年もあとわずかになりました!!
何故だか春の様な陽気の日が続いている大和市では有りますが、皆様如何お過ごしでしょうか?
本日も症例報告「停留睾丸(腹腔内陰睾、皮下陰睾)」について書いていきたいと思います!
6ヶ月齢 雄 ポメラニアン
主訴 去勢手術のご相談で来院
去勢手術の流れを説明しつつ、ワンちゃんの身体チェックをしていくと、、、
陰嚢内に睾丸(精巣)がありません!!
陰嚢を触診してもぺったんこで中身(睾丸)がありません、、、
犬では10日齢までには睾丸(精巣)が陰嚢に向かって下降をはじめて、おおよそ8週齢までには陰嚢内へと移動します。
この時期を過ぎてもが下降してこない場合に停留睾丸と診断されます。
停留睾丸の原因は遺伝性と言われています。
そして正常な睾丸(精巣)と比べて、降りてきていない精巣では腫瘍の発生率が13倍にもなると言われております。
ただ、3〜6ヶ月齢の時に停留睾丸であっても、ワンちゃんの成長と共に7〜8ヶ月齢くらいまでに降りてくる場合もあります。
という事で、この子も精巣が降りて来ないか少し待ってみる事に。。。
3ヶ月後に再びチェックしてみた所、、、
今回も陰嚢に精巣が確認できません!!
そこで、エコー検査を行ってみると、、
右側:矢印で指している白いラインが腹筋です。
その腹筋の下に小さな右側精巣があります!
左側:矢印で指している白いラインが腹筋です。
腹筋の上に左側の精巣があります!
診断 停留睾丸(右側:腹腔内、左側:皮下)
オーナー様と相談し、今回のタイミングで去勢手術を行う事にしました。
通常の去勢手術と異なる点としては、
腹腔内陰睾では皮膚とその下の腹筋まで開けなくてはいけない手術になる為、切開部位が通常より大きくなる事や2箇所切開する必要がある事が挙げられます。
腹筋切開部より精巣を確認した所。
通常の精巣よりサイズがかなり小さいことが多いです。
無事に術前のエコー検査で確認していた精巣を左右とも摘出し、去勢手術完了しました。
・今回のケースの様に、若い子で陰嚢の中に精巣が降りてきてない方、
・精巣が降りて無いと言われ、そのまま検査や手術を受けてない方
・精巣が降りてるか降りて無いのか分からないという方
などなど、是非とも一度おひさま動物病院で診察やエコー検査をおすすめします!!
また、おひさま動物病院では24年1月2月限定で、
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