高齢ワンちゃんの抜歯・歯石除去

6月になり梅雨が近づいてきているのか雨の日が続く今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

おひさま動物病院のお隣の敷地で工事を長い事しておりますが、遂にスーパーサンワの看板が!!

スタッフ全員、お隣のスーパーマーケットの完成を密かに楽しみにしております!!

 

 

さて、本日は前回の続きで高齢ワンちゃんの抜歯・歯石除去の実際の症例ついてお話ししたいと思います。

 

12歳 ミニチュアダックスさん

ここ数ヶ月にわたって鼻水が出続けている。口臭や歯石も気になるとの事で来院されました。

 

数年前に一度歯石除去と抜歯を行なっているとの事でしたが、実際見てみるとかなり重度の歯周病、歯石の沈着も重度であり、眼下に歯周病からくると考えられる腫れも見られました。

 

今回の主訴である鼻水も歯周病の細菌が鼻腔内に感染を起こしているものが考えられました。

 

オーナー様と相談し、根本治療を希望されましたので、全身麻酔下での歯石除去・抜歯を実施しました。

 

まずは問題なく麻酔が行えるかの全身検査を行ったところ、心臓エコーにて僧帽弁閉鎖不全症がみつかりました。

他の部分には幸い大きな問題はなく、オーナー様と相談した上で、内服による心臓治療と歯周病治療を先に始める事にしました。

 

内服治療を数週間ほど行い、心臓サイズや流速など落ち着いてきた所を確認した後、全身麻酔下での手術となりました。

 

実際、手術前にレントゲンを撮ってみると、歯を支えている歯槽骨が溶けてしまい、そこを歯石が埋めている様な状態です。。。

 

 

 

 

特にダックスさんで多い、上顎の第4前臼歯は左右とも重度に歯槽骨が溶けており、抜歯が必要な状態でした。

 

更に上顎の犬歯のあたりに瘻管(口から鼻に穴が開いている状態)が出来ており、そこに膿が溜まっており大変な状態に!!!

 

上顎の第4前臼歯や犬歯も含めた大規模な抜歯処置を行い、瘻管の洗浄、抜歯した所の骨のトリミングと縫合、残った歯の歯石除去とポリッシングを行い、手術終了〜!!

 

手術後は抜歯直後なので内服が飲めない事を考え、心臓薬の静脈点滴を持続しながら1泊入院し、痛みや炎症のコントロールを行い、次の日に退院となりました!!

 

1週間後の再診でも、歯肉の状態は落ち着き、抜歯箇所の空いた部位も無事に傷が塞がってきていました。

 

 

口腔鼻腔婁を縫合したことにより、口腔内の菌が鼻腔へ漏れまくっていた事がなくなり、ずーっと悩まされていた鼻水が改善しました!!

 

 

もし高齢のワンちゃんで、

・鼻水がなかなか治らずに悩んでいますという方

・最近固いフードを食べにくそうにしているという方

・目の下がはれてきた!もしくは破れてきずになってる!という方

・心臓が悪いので、歯石除去や抜歯は出来ないと言われた方

 

是非ともおひさま動物病院にご相談して下さい!!