猫の顎関節脱臼
急に朝の気温が下がって、お布団から出るのが億劫になってきた今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか??
今年あれだけ暑かった大和市も、すっかり寒くなりました。
それと同時に日が暮れるのも早くなり、17時には真っ暗になってますね。
なんだか秋は飛ばして冬になってきてる感じがしますねー。
そんな最近ですが、今回はちょっとだけ珍しい症例報告を書きたいと思います!
猫さんの顎関節脱臼について書いていきます!
ヒトのアゴが外れた話は、顎が外れた時に家族に助けを求めたけど、口が開きっぱなしで上手く伝えられなかった〜!!
、、、みたいな少し笑い話気味のものがチラホラあったりしますが、猫さんでもたまに緊急で来られる事があります。
8歳 猫 去勢雄 MIX
主訴 ドライフードを食べていたら口が閉まらなくなった!!
緊急で今から見て下さい!!、、とのオーナー様からお電話を頂き、すぐ来てもらうことに。
見てみると、、、
口が閉まらなくて、興奮気味です。。。
よーくみてみると、、
口が右側がやや大きく開いて、左は小さく開いているアンバランスな開き方になっております。
続いてレントゲンを取ってみると、、、
上顎と下顎のラインが揃いません!!
右側からの顎のレントゲンでは、右の顎関節の部分が外れている様子が!!!
オーナーさんに状況を説明して、まず鎮静を掛けて軽く眠った状態にしつつ、直接手で顎関節をはめて見ることに、、、
そして、古くから獣医さんの中で伝えられてきた猫の顎関節脱臼の治療法があります。。。
それは、、、
猫さんの外れた顎を整復する際は、鉛筆を噛ませろ!!
、、という言い伝え?のようなものがあるのですが、、、
その治療法を初めて聞いた若かりし頃の僕は、、
ボールペンでも良いのでは??とか
注射のシリンジとか同じ様な太さのもので代用出来そうじゃんー、とか思ってましたけどね。。
でも結局毎回、今まで鉛筆でしかやった事ないので、取り敢えず病院内で鉛筆を探すことからスタートしま笑。
今回も何とかいい感じの鉛筆を見つけて、眠った猫さんの奥歯に噛ませます。
ガブリ!!!
鉛筆を噛ませたまま、半開きになっている口先を閉じる様に手で押さえると、噛ませた鉛筆が支点となり、
外れた顎関節が開き、はまり込む様に動きます。
今回は右側だけ顎が外れた珍しい症例だったため、鉛筆を噛ませて口先を押さえて開くことだけでハマってくれました!!
左右とも顎が外れた場合は、鉛筆を噛ませて開くと同時に顎を押し込まなくてはいけないパターンもあるので、レントゲンなどでその子の状況をしっかりと確認する必要がありますねー。
整復後のレントゲン
上顎と下顎のラインがピッタリに揃いました!!
左 整復後 顎の関節がハマってます
右 整復前 顎が外れてごちゃごちゃに写ってます
整復後は、ウエットフードを多くしてもらったり、ドライフードを細かくして顎に負担をかけない様にしてもらいながら、再度脱臼しないか注意深くみていきます。
幸い、今回のネコさんは再脱臼することも無く、1週間ほどで普通のフードも食べてくれるくらいまで回復しました!!(^^)
今回は少し珍しいネコさんの顎関節脱臼について症例報告しました!
もし、お家のワンちゃんやネコさんのお口が閉まらない!!
開きっぱなし!!
などみられましたら是非ともおひさま動物病院へ!!