尿道閉塞に対する会陰尿道造瘻術
毎年この時期になると、外来で2か月ごとに検査に来てくれている方に次の診察のご案内をする際に、
「次回の診察はもう来年ですねー!!」とお話しする度に月日の早さを実感している今日この頃。
皆さま如何お過ごしでしょうか??
9月から11月まで続いていました健康診断キャンペーンは、おかげさまで大盛況でした!!( ^ω^ )
また、スタッフ一同、1日になるべく多くの方を見れるようにと努力しておりましたが、予約が取りにくい状況となり、ご迷惑をお掛けし申し訳ございませんでした!!m(_ _)m
健康診断を通して、ワンちゃんネコちゃん達の健康寿命が少しでも伸びるようになればと願っております(^^)。
さて、健康診断キャンペーンが忙しく、2か月ぶりになってしまった院長ブログですが、今月は尿道閉塞に対する会陰尿道造瘻術について書いていきます。
オスのネコさんで尿石症を罹患している、尿道閉塞を繰り返している方は根本治療として重要なオペになります。
症例報告
8歳 マンチカン 去勢オス
主訴 前日より急に元気がない、前日より尿をしていない
かなり元気がなさそうな様子で来られた猫さん。
お話を聞いた所、前日から排尿が出来てない、何度もトイレで排尿姿勢を繰り返している様子との事でした。
早速、検査をしてみると、、、

膀胱がパンパンです!!!
さらにお尻の方(矢印のところ)を見てみると、、、

尿道に細かい結石が一直線に何粒も詰まっています!!
尿石症による尿道閉塞が起きています!!
また、同時に行った血液検査では、、、
クレアチニン 16.0
尿素窒素 >140.0
腎臓の値がとんでもなく高い値に!!!
尿道閉塞による急性腎障害(腎不全)が起きています!!
すぐに緊急対応として、グッタリするほど溜まりに溜まった尿を出してあげなくてはいけません。
すぐに鎮静をかけてカテーテルを尿道に入れ、生理食塩水などで尿道に詰まっている結石を膀胱に押し戻します。
少し押し戻すのに苦戦しましたが何とか閉塞を解除し、尿カテーテルを設置。
無事に排尿出来ました!!!
その後、数日の点滴入院で腎臓の値も正常値に戻り、めでたしめでたし(^^)
、、、となれば良かったのですが、、
尿カテーテルを取ってしまうと、直ぐに尿道に結石が詰まってしまいます!!
治療の中で少量採れた結石を分析検査に出したところ、フードやサプリなどでは溶けないタイプのシュウ酸カルシウムだった!!
という事もあり、オーナー様と相談し、尿道閉塞の根本治療を目的とした会陰尿道造瘻術を行うことになりました。
◎会陰尿道造瘻術とは、、
尿道は先端に行くに従って細くなっていくのですが、その先端の細い尿道部分(詰まりやすい部分)を切除し、より太い尿道を引っ張ってきて、新たに尿道を開口する手術になります。
この手術が必要になる子は以前から頻尿や血尿を繰り返している子が多いです。
尿道閉塞は最初は内科的に治療していくことが多いのですが、治療に反応しない場合や、今回のように、一旦良くなってもその後再発を繰り返す場合など、内科治療では管理が難しいときに会陰尿道造瘻術を行います。

お腹の手術とは異なり、お尻周りの手術では座りながらオペを行います。

尿道にカテーテルを入れて少しずつ陰茎を引き出していきます。

目標の尿道球腺が出てきました。
ここまで陰茎を引き出せば、太い尿道を確保できます。
陰茎を切断し、尿道の粘膜と周囲の皮膚と縫合していきます。

ひたすら丁寧に粘膜と皮膚を縫い合わせていきます。

無事に手術終了!
その後、カテーテルを入れて数日入院し、炎症のコントロールをしながら、縫合部が落ち着くのを待ちます。

術後3日目ほどの様子。
出血もなく落ち着いてます。
その後、カテーテルを抜去し、退院となりました。
もちろん、尿結石による尿道閉塞は起きておりません。

抜糸前の様子。
縫合部周囲に毛が付いてますが、落ち着いてきています。

再診時のレントゲンです。
順調に排尿出来ていて、尿結石も出て行ったようです。
今回は、尿道閉塞に対する会陰尿道造瘻術について書きました!!
この手術は尿石症による尿道閉塞の根本治療につながります。
もし、オスの猫さんで
・尿道閉塞を繰り返している
・血尿をよく出している
・トイレを何度も行き来している
などの様子が見られた場合、一度おひさま動物病院まで相談して下さい!!
