子宮蓄膿症に対する外科治療
ようやく凄い暑かった夏が終わり、秋になって来たのかな、、、と思いきや気温が26度越えだったりする大和市ですが、皆様如何お過ごしでしょうか??
天気予報で僕の地元、北海道では初氷(はつごおり)!との予報を見ながら、大和市で暮らしている自分は半袖着て歩いている今日この頃です。
先日、少し遅れたのですが新人の小暮さんの歓迎会を院内で行いました!
恒例のピザパーティー
新たな仲間が増えて益々パワーアップしていくおひさま動物病院をご期待下さい〜!!(^^)
そして今回の症例報告は、子宮蓄膿症です。
未避妊のワンちゃんやネコちゃんにみられるコワーイ病気です。
子宮内に感染が起こり、膿が溜まってしまい、更にはそこから全身に感染が広がると、急性の腎障害、敗血症や多臓器不全、播種性血管内凝固などの重篤な状態になる事もあります。。。
症状としては、
お水をよく飲む、尿が多くなる
元気がない・食欲不振がみられる
お尻・陰部を気にする様子が見られる
などが主に見られます!
この様な症状がみられる
未避妊の女の子さんは早めに動物病院にかかりましょう!!
◯症例報告
8歳 ボーダーコリー 未避妊雌
主訴 前日から食欲なく、陰部を気にしている
オーナー様も今まで大きな病気などかかった事のないワンちゃんとの事でかなり心配されている様子、、、
早速、診察台に乗せて見てみると、、、
陰部から茶色の液体が!!
陰部から出た液体が尾やお尻の周りに!!
(写真はオペ前のものです)
更にエコー検査を行っていくと、、、
子宮内に液体が!!
オーナー様と話し合い、緊急でのオペを提案。
術前の血液検査では炎症値はかなり上昇しておりましたが、腎臓などの数値は今のところ正常範囲の値、、、
今まで、様々なレベルの子宮蓄膿症の動物さんをみてきましたが、術前検査にて腎数値の上昇や肝臓数値の異常、血小板の減少など全身への重度の感染・多臓器不全などがみられる場合の予後はかなり悪い事を経験しております。。。
そのまま、入院し点滴を流しながら手術へ!!
実際開腹してみると、、、
今回は開放型(陰部から排膿している)の子宮蓄膿症だった為、そこまでの子宮が拡張している様子はなかったのですが、体格も良い子であり、周りの脂肪や細かい血管もかなり多いので慎重に子宮と卵巣を摘出します。。。
今回もアクロサージが大活躍!!
アクロサージを使う事で、ほぼ出血無く、迅速かつ安全に摘出オペが出来ました!!
取り出した子宮を切開し内部を見てみると、、、
中から灰色の膿が、、、
子宮内の膿を採取し、細菌検査に提出します。。。
結果は、大腸菌が大量に検出!!!
初期治療で投与した抗生剤が有効だったため、数日に渡り継続投与し、その後も感染の悪化などが見られず、無事に回復してくれました。
その後も無事に退院し、術後10日の抜糸時にはすごく元気な様子で来院してくれました!
今回は、開放型の子宮蓄膿症だった事もあり、オーナー様が早い段階で気が付いて連れてきてくれた事が、早い回復に繋がったかなと思います!
もしお家のワンちゃん、ネコちゃんが
・お水をよく飲む、尿が多くなる
・元気がない・食欲不振がみられる
・お尻・陰部を気にする様子が見られる
などの症状がみられる時は、是非とも一度動物病院に行って検査をオススメします!
また、子宮蓄膿症は、避妊手術で予防出来る病気です。
「若い時にしようかなーと考えていたけど、まだ避妊手術やってなかった、、、」という方は一度、おひさま動物病院までご相談を!!