シスチン結石による尿石症
最近雨続きで梅雨の到来を感じる今日この頃、皆様如何お過ごしでしょうか?
おかげさまで沢山の症例に恵まれております。
本日は、その中でやや珍しい尿石症を一つ紹介したいと思います。
症例 2歳 フレンチブルドッグ 未去勢雄
オシッコが出にくそう、血尿が見られる、との主訴で来院。
膀胱炎や膀胱結石を疑い、早速エコー検査と尿検査を実施!!
すると、、、予想通り!!
膀胱内にゴロゴロとした小さな結石達が!!
更に尿検査で顕微鏡にて見てみると、、、
あまり見慣れない珍しい結晶が!!
これはシスチン結晶。
犬の膀胱結石の成分で90%近くがストラバイトもしくはシュウ酸カルシウムでありますが、そのどちらでもない珍しいタイプの結晶になります。
①何故この珍しいタイプの結晶ができてしまうのか?
その多くが先天的な代謝異常やその関連疾患がある事が言われております。
尿路構造、性ホルモン、伴性遺伝、腎機能、栄養摂取などが関連していると言われます。
②シスチン結晶に対する治療法は?
食事療法と投薬治療から始めていきます。
シスチンが増える原因となるタンパク質を制限したフードに切り替えて、飲水量を増やして尿中にシスチン結晶が蓄積しない様にします。
また、クエン酸ナトリウム・クエン酸カリウム製剤を内服する事で尿をアルカリ化する事でシスチン結石の溶解を促します。
実際、低タンパクフードへの変更と内服開始により1週間ほどで血尿は見られなくなりました。
まだ砂状ですが結石がチラホラ。。。尿道にも小さな結石が。。
更に治療開始から1ヶ月ほどで膀胱内にあった結石はほぼ綺麗に溶けてくれました!!
治療1ヶ月後の様子。
今後もシスチン結石が再発しない様にケアが必要になりますが、結石が溶けてくれて良かったです!!
今回は少し珍しいタイプの尿石症の紹介でした。
血尿が出た、たまにオシッコが出にくい、尿結石症がなかなか治らない、などの症状が見られる方は是非とも一度、おひさま動物病院までご来院下さい!!