紐状異物による腸閉塞に対する腸切開

あれだけ暑かった大和市も朝や夜は冷えてきている今日この頃、皆様、如何お過ごしでしょうか??

 

今年の夏は9月になっても気温35度超えのとんでもない暑さの毎日だった為、気温31度の日があっても涼しく感じてしまいますね〜。(^^)

 

おひさま動物病院では、9月から11月まで毎年好評の秋の健康診断キャンペーンを開催中です!!

 

今年も本当に沢山の方々が健康診断に来て下さり、心より感謝申し上げます!!

 

 

毎年、11月は駆け込みで予約が取りにくくなります。

今健康診断キャンペーンを検討中の方は是非とも

10月中に予約して頂く事をお勧めします!!

 

さて、今月も症例報告をしていきたいと思います。

 

救急の現場でとても多く見られる猫ちゃんの紐状異物による消化管閉塞です。

 

紐でよく遊ぶ猫さんはとても注意して欲しいです!!

 

猫 5歳 雑種 

主訴 

1週間前からずっと吐いている、別の動物病院で点滴や注射治療したが治らないので、おひさま動物病院でみてほしい

 

この1週間で4.1キロあった体重もこの日3.7キロまで落ちている状態。。。

 

早速、全身の検査を行なっていきます。

エコー検査を見てみると、、、

 

 

アコーディオンの様にシワシワになった消化管と中央に白い異物が写ります!!

 

これは紐状の異物による消化管閉塞です!!

 

オーナー様に相談し、すぐに入院治療と手術を提案します。

1週間吐き続けていたことから、身体がかなりの脱水状態になっている為、手術に耐えれるように少しでも静脈点滴で補水していきます。

 

数時間の点滴治療後、次は大量の胃液の除去と消化管内部の確認の為、内視鏡検査を行います。

 

のどの奥の方から青い紐が引っ掛かっている様子が、、、

 

紐を辿りながら進めていくと、胃の中から小腸まで続いてます。。。

 

しかし、小腸のはじまり部分より奥は消化管と紐が絡まり、内視鏡は進めず。。(-_-)

 

 

 

 

胃液を除去し、続いて腸切開手術にうつります。

 

消化管が紐によりアコーディオン状に絡まっております。。

 

ここから、この絡まった消化管を注意深く触り、中にある紐を切開して抜いていきます。

 

 

一箇所ずつ腸切開を行い、紐をゆっくり引っ張っていきます。

 

引っ張っても紐が抜けない箇所があれば、その箇所を腸切開し、紐を引っ張る、、というのを繰り返していきます。

 

 

また、その際、紐が強く絡まって消化管が壊死していないか、も出血の具合などから確認します。

 

そんな流れで、この子の場合4カ所の腸切開を行い、無事に全ての紐を取る事が出来ました!!

 

紐も何カ所か切りましたが、こんなに長い紐でした!!

 

縫合したあと、内視鏡にて紐を全部除去した事を確認し、手術終了です。

 

手術後は、入院治療で流動食などを与えながら、切開した消化管が正常に動いてくれるか、を確認。

 

術後2日目から自分でチュールを食べてくれるくらいバッチリ回復してくれました!!

 

順調にウェットフードも食べてくれて、術後5日ほどで無事に退院となりました。

 

・若い猫さんで急に嘔吐が続く

 

・普段からヒモで遊ぶのが好きな猫さんが急に元気無い

 

・対症療法を試したけど嘔吐が止まらない

 

などの症状がみられたら、今回のように紐状異物による消化管閉塞かもしれません。

 

その際は是非とも一度、おひさま動物病院に来て下さい。